民主的な物事の進め方とは程遠い松戸市の焼却灰搬入再開

 8月1日、松戸市の高濃度放射性物質を含む焼却灰(1キログラム当たり8000ベクレル以上)の手賀沼終末処理場内の一時保管施設への搬入が再開されました。

 午前10時40分頃、松戸市の職員を乗せた車を先頭に、焼却灰2.4トンを積んだトラックが同処理場前に到着しましたが、周辺住民ら約50人が搬入を阻止しました。

 今回の搬入再開は、7月26日に松戸市が突然、搬入再開を発表したものです。我孫子市に対しては、当日の午後、松戸市の担当課長から我孫子市の担当課長に、「29日に連絡することがある。」旨の電話があり、29日の午後、松戸市の課長が下記の要旨を伝えるため我孫子市に来られました。

 「クリーンセンターから排出される焼却灰(飛灰)の手賀沼一時保管施設への搬入については、平成25年1月31日をもって定期整備工事等のため停止していました。定期整備工事後、場内での保管方法等の変更により、場内での保管を行ってまいりましたが、クリーンセンターでの保管がひっ迫してきたため、平成25年8月1日より当該一時保管施設への搬出を再開することになりましたのでお知らせします。」

 松戸市は、搬出3市のうち、これまでの搬出量は51.97トンと最も少なく、また、他市に迷惑をかけないように剪定枝の混焼率等の工夫すると公言していました。そして、最初に搬出を停止しましたので、今回の搬出再開には本当に驚きました。

 松戸市からの知らせを受け、7月30日、我孫子市副市長と正副議長が松戸市を訪ね松戸市長と松戸市議会議長宛てに、搬入再開の中止を求める要請文を手渡しました。

 それに対する、正式な回答もないまま、また、地元住民への何の説明もないまま、あまりにも突然の搬入再開は、民主的な物事の進め方とは到底思えません。

 負の遺産を分かち合うためには、これまで以上に合意形成のための努力が必要になります。一方的な進め方をすれば、ますます事態が混乱し、信頼関係を構築することはできません。

 住民の方々は地域エゴで反対しているのではありません。自区内保管の努力が不足しているのではないか、剪定枝の焼却以外の処理方法を本気で考えていないのではないか、平成27年3月末までに、一時保管施設を原状回復するとの確約を果たすために、現在、見通しのたたない最終処分場ができない場合には、搬出市に持ち変えることになっているが、保管するための施設等の検討が全く見えない、また、今回の搬入再開について住民への説明が全くなかったこと等、あまりにも乱暴な再開には、住民の理解は到底得られないと思います。

 8月7日には、一時保管施設の設置者である県との話し合いの場である総務省の第4回公害等調整委員会が開かれます。前回から、調停らしい動きが出始めたところです。その矢先の今回の搬入再開は、民主的な合意形成への努力に水を差すことになりかねません。松戸市の再考を期待します。


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